柳田邦夫 : 著 『生きなおす力』という本を読んでいる。
「授乳中にメール これは虐待だ ! 」━只事ではない子育て状況
東京都内のある総合病院のそばにある母子サービス施設でのこと。出産後3カ月と6ヶ月などの赤ちゃんの定期検診のために病院の小児科にきた母子が、診療後に立ち寄って、赤ちゃんに授乳をしたり、必要なものを購入したりする施設だ。━━十人ほどの若い母親たちが赤ちゃんに授乳していた。ところが、どの母親も母乳を吸う赤ちゃんの顔を見ていない。それどころか、他の母親と会話もしていない。ひっそりとしている。何をしているのかと見ると、全員が黙々とケータイでメールの確認や打ち込みをしていたのだ。
ひと昔なら、母親同士が例え初対面でも、互いに相手の赤ちゃんの事を聞いたり心配事を話したり、おしゃべりの輪ができていたし、母親はたとえおしゃべり中でも自分の赤ちゃんの顔をしっかりと見ていたものだ。━━ 母親の関心の対象が赤ちゃんからもそばにいる母子たちからも離れた、どこか別のところにいる誰かのところへ飛んで行ってしまっている寒々とした情景だった。ケータイ文化も、ついにここまで来たかと、私は慄然としたのだ。進化する「壊れる日本人」と言おうか。
これを読んで、ナルホド、ここまで来たのか、という感想を持った。著者は、便利さの陰で失われていくものの重大さを訴えている。つぎも興味深かったところ。
心の「一足跳び」の成長
赤ちゃんは、この世に生まれ出ると、次々にさまざまな困難に直面する。痛い、かゆい、冷たい、暑い、おむつが汚れて気持ち悪い、空腹、のどの渇き、眠い、怖い、等々。言葉で表現できない赤ちゃんは、自分では処理できない葛藤に直面すると、温もりと安心感のある懐かしい時期に逃げこむ、いわゆる「退行」を起こす。葛藤の感情は「しがみつく(Cling)」 「泣き叫ぶ(Crying)」 「おこりっぽい(Cranky)」という形で表現する。これを赤ちゃんの葛藤の表現「三つのC」と呼ぶ。これに対し、母親(または父親)が本能的にあるいは直感的に、赤ちゃんの葛藤や求めを理解して対処をし、しっかりと目を見て温もりのある、”抱きしめ”をしてあげると、赤ちゃんの心は階段を一段ステップアップするように、ポンと一段階成長する。これを「一足跳び」の成長という。
心の成長は緩やかに連続的に上昇していくのではなく、非連続的なのだ。つまり、赤ちゃんは自分で処理できない葛藤に対して、母親が適切に対応して解決の筋道を付けてくれると、それによって混沌としたものを整える学びを得るとともに、新しい知覚能力を得る事になる。
知っていましたか? では、母親が赤ちゃんの訴えを理解できずに、叱りつけたり、叩いたり、あるいは放置したりすると、赤ちゃんにはどんな事が起きると思いますか?
興味のある方は読んでみてください。
参考までに目次を載せておきます。
授乳中にメール これは虐待だ! ・只事ではない子育て状況・母子の関係の希薄化・心の「一足跳び」の成長・虐待の連鎖を断ち切る・恐るべき虐待の蔓延・ケータイを溝に捨てよ
子どもとケータイ 規制だけで解決? ・包丁とケータイ・二兆円か子どもの未来か・求められる想像力・ネット社会の無残・ネット社会の土石流・ケータイネット依存症脱却こそ
脳を壊すケータイ 親よ学校よ気づけ ・登場した電磁波問題・ケータイは脳を壊す?・「科学的証明」の落とし穴・ケータイから脳を守る10カ条・影響の多様な側面・倫理性喪失のネット社会
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まだまだ続きますが、この位で。
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